2014-01-01から1年間の記事一覧

狼煙

先日は自分が主催する廃藩置県フェスティバル東京篇(東京篇はT.T.端子さんとの共同企画)と友人が店長をやっている横浜の試聴室その2でライブをさせてもらいました。 東京篇は六組の予定でしたが急遽おはるの時間をオープニングアクトに。実際はオープニング…

私を金星に連れてって

8/14ははにゃうにゃさんの10周年記念ライブで久々にベアーズに出た。10年前、はにゃうにゃさんの初めてのソロ出演で僕は対バンだった。その縁で今回僕は呼ばれたのだ。僕もその時のことははっきり覚えている。あの日はものすごい大雨だった。見に来てくれた…

星は巡り人は生まれ死ぬ

去年の今頃は職を失い母が癌で手術を受け病院と実家を往復する毎日だった。周りの身内には大病するものが何人かいたが、どれも手遅れで手術する間もなく亡くなっていたので手術というのがどういう過程でおこなわれるのか初めて知った。結果的には成功だった…

盲狼

18才、専門学校は夜間部。一才年上の北村くんは僕をよくコンサートやライブに連れていってくれる。彼はすでにいわゆる業界というものに出入りしていてその縁か招待券をもらっていてその同伴として僕を連れていった。やっとギターソロみたいなことが出来るよ…

砂の丘

けさ、自分が働いている店に突然二十年前に付き合っていた人が現れた。僕が立っているところから離れていたのでおそらくこちらには気づいてない(と思うが)。僕は自分の名札を隠し背中を向けるように仕事をした。間違いなくその人だった。二十年前もこのあた…

疾痛

学校からの帰り、友人の一人がしきりに腹が痛いと言ってきたことがあった。もしかしたら胃潰瘍じゃない?と適当に答えた。その頃の僕はなぜか直感力に優れある事象について頭に思い浮かんだことを口に出すとほとんどが当たっていた。友だちはそんなん言うな…

さよなら栗川先生

富岡製糸工場世界遺産登録のニュースで僕が小学校五年の時に野麦峠をテーマにした劇をやったことを思い出した。その頃はあゝ野麦峠というドラマが大ヒットしていて大竹しのぶが注目されていた。担任だった栗川先生はいわゆる同和教育に熱心な方で道徳の時間…

冬のコオロギ讃歌

週末はともかくレコード屋回りばかりしていてそれがほんとうに趣味であり生きがいでもあり趣味でもあった。深民淳や伊藤政則の書いたブリティッシュロックのガイド本とレコードマップを片手にいろんな店をあるきまわった。神戸だとウォータールーレコードと…

電話交換手

スーパーでサイコロステーキと玉ねぎを買う。冷蔵庫にはケチャップがあり台所の戸棚にはウスターソースがある。バターはないがマーガリン、ニンニクはある。これだけの材料でハヤシライスを作る。夕ごはんは時代劇を見ながらハヤシライスを食べる。月曜の夜…

海を見た

連れ合いとただなんとなく海に行こうというはなしになりそういえば一度だけ潮干狩りしたことがある明石に行こうと出掛けた。かなり前なのでその時の記憶が定かではないが砂浜を少し歩いて明石焼が食べれる店に入った。潮干狩りをした砂浜はどこだったか全く…

乱破

ベアーズでのリハが終わりそういう時は必ず新星堂の楽器屋に立ち寄ることにしていた。まだまだその頃は次から次に出される新しい"未知の楽器"に魅了されていたしまだ20代だったので今よりも好奇心旺盛だった。ショーウィンドウにトランペットがあった。13800…

一度だけ死者を見たことがある

夕焼けがベランダに差し込んできて足元がその色に染まっていた時いつものようにぼんやりしていた。突然足元の向こうの夕焼けから人型が浮かんできた。顔がはっきりとわかった時それはとても懐かしい人だった。もうすっかりと忘れていたんだけど今ごろなぜ。…

黒猫の死

昼間の出勤神崎川沿いを雨の中自転車を走らせ始めると路肩に黒いものが。目を凝らしてみるとそれは横たわった黒猫だった。頭のほうはキルトのマフラーを被せられていたのでどんな顔をしていたのかわからない。おそらくかわいそうに思った人が自分のマフラー…

ふたり

10年ぶりに宮本章太郎との二人だけのトラディショナルスピーチのライブを昨日油野美術館で披露、すごく懐かしい気持ちになる。彼が入ってからの10年間メンバー増えたり継続していったけど結局"二人だけが残った"。紙にいろいろ構成を書いて考えるという時間…