盲狼

18才、専門学校は夜間部。
一才年上の北村くんは僕をよくコンサートやライブに連れていってくれる。
彼はすでにいわゆる業界というものに出入りしていてその縁か招待券をもらっていてその同伴として僕を連れていった。

やっとギターソロみたいなことが出来るようになった頃、簡単なブルースコードで曲を作るようになった。
北村くんも黒のストラトキャスターを持っていて簡単なコードなら弾けた。僕も安物のレスポールで中津のガレージというスタジオで何回か練習した。
それから専門学校の文化祭に出演した。
一年生の時は一人で出演したが、翌年は北村くんと3曲演奏した。当時ブラインドウルフとステッペンウルフが好きだったのでユニット名はブラインドウルフにした。

正直受けたのかどうかわからない。
ほとんど昼間部が中心になって学校は回っていたので文化祭は知らないやつばかりだ。終わってすぐに東通りのよく通っていたそば屋で二人打ち上げをした。

友よ、僕は今も歌っている。君はあの頃ほんとうに大切な友だちだった。僕はいつの日か、近い将来君のために歌うよ。君のことを考えながら歌うことにするよ。君も僕も少し人生につまづいただけさ。
でもかならずつかんでみせよう、それを額に入れて眺めながら楽しかった夢を見る明日を。

そう、君も僕もほんの少しつまづいただけさ。好きなレコードをかけながらまた笑い合おう。